COCO hair & life style

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日々の思うこと

混乱した時は手放す

10月に入り突然気温が下がり始め、9月までのあの暑さがようやく終わりを告げようとしております。

皆様、今年の夏はいかがでしたでしょうか?

私の夏の思い出は、小学生の息子が夏休みの自由研究でクワガタを飼いたいという目標を立てた事で、クワガタ取りに頻繁に行っておりました。

早朝4時半、もしくは夜の23時に息子を起こして、川根の山奥まで車で片道1時間かけて15回以上行ったと思います。

昔と比べるとカブトムシやクワガタは採れないようで、自分の子供の頃の感覚で簡単に採れるだろうと甘くみていた所、最初の7〜8回目までは全く採れませんでした。

場所と時間、仕掛けを友人や知り合いに聞き、初めてメスのカブトムシが採れた時には、車内で寝ている息子の存在を忘れ、嬉しさのあまり「よしっ!」を深夜に連呼しておりました。

来年、カブトムシやクワガタを捕まえたい方がいたら、是非お声掛け下さいませ。

混乱

今年の夏は、私にとっては予想もしない、緊急で重要な事が重なった期間でした。

もう過ぎ去ってしまった事なので「こんな事があるんだな。」と客観的に捉えられるのですが、その最中というのは一言でいうと混乱している状態です。

重なって降りかかってくる事案に対して、一体何から手をつけて良いのか?どういう判断をしたら良いのか?が全く見えず、頭はフル回転していても結局何もできず、アタフタしているだけの日々を送っていました。

お客様との会話

そんなある日、お客様との会話の中で、家で使用しているシャンプーの話題になりました。    


そのお客様は、COCOで扱っている「バイカルテ」という、髪のまとまりや保湿に特化したシャンプーを長く使って下さっているのですが、最近そのシャンプーを毎日使うのは止め、定期的に「ジョンマスター」というアメリカ産オーガニックブランドのシャンプーを使うようにしていると話してくれました。
そのシャンプーは以前当店でも扱っていた事があるのですが、私の中では対極にある製品と捉えています。


ジョンマスターを使用した事のある方でしたらお分かりかと思いますが、洗い上がりがシャキッとしていて、シャンプーだけでは髪がきしんでゴワついてしまいます。
その代わり、髪の汚れや油分がキレイさっぱり落ち、ツルっとした仕上がりとなります。石鹸に近いイメージです。

そのお客様は、保湿効果を毎日毎日重ねていくよりも、定期的に全て洗い流してリセットし、そこから再び作り直す方が髪のコンディションが良いと伝えてくれました。
確かに、ジョンマスターの後にバイカルテを使用した場合、髪が潤った実感は凄いと思います。

一度手放す

その話を聞いた日の夜、今の私の混乱した状態から抜け出すには、先ずは持っているものを手放す事が必要なのかもしれないと思い始めました。


そこから、お店や事務所、さらにはプライベートも含めて使用していないものや古いもの、違和感を感じるものを全て捨て始めました。ゴミ袋が積み重なる光景を見て、日々生活しているだけで気づかぬうちに物を身につけてしまっていると感じます。
そして、身につけるだけで手放す事を全くやっていなかったのだなと思ったのです。

手放す事を続けていくうちに、環境や思考がどんどん軽くなっていくのが分かります。そんな中、大量の書類の中からラミネート加工された1枚のチラシがポッと出てきました。

思い出した出来事

このチラシはCOCOがオープンした2012年7月号の、WOMO(ウーモ)という静岡市の地域情報誌に掲載した時のものです。このチラシが残っているとは思いもよりませんでした。

この1枚のチラシを見つけた時、しばらくじっと眺めていました。そして、それまでの混乱が徐々に静まっていくような気がしたのです。
このチラシの中に写っているモデル役の女性は、私の高校時代の同級生の友人です。
当時友人は静岡市内で美容師をやっていて、私は東京から静岡に帰省し、お店を出店するにあたり度々相談に乗ってもらっていました。


出店の大まかなスケジュールが決まり、いよいよ物件を決めるタイミングで青葉通り沿いに空き物件が出ました。
私はこの物件なら間違いないと思い、友人に相談した所、「山田君のやりたいお店の雰囲気は、鷹匠の方が合っているよ。」とサラッと伝えてくれました。

しかし私は、その物件を簡単に諦める事が出来ず、1週間以内に返事をしないと2番手に話が流れてしまうとの事だったので、その後も何度も足を運び、契約書にサインする直前までいったのですが結局見送る事にしました。
それは、友人のアドバイスが心に引っかかっていたのだと思います。
その後、お店のコンセプトと市場調査を一から見直し、今のお店の物件情報が突如入ってきた事で、鷹匠でスタートを切る事になりました。

もし青葉公園沿いの物件でスタートしていたら、今の物件と比べると非常に狭く、家賃も高かった為、今のCOCOの姿は無かったと思います。今思えば、あの一言のアドバイスが未来の分かれ道でした。

手放したことで掴む

あれから11年経ち、残念ながら友人は数年前に病気を発症し、この世を去る事になりました。


今のCOCOがあるのは、お客様や共に働いてくれるスタッフの皆さん、陰でサポートしてくれている皆様方のおかげです。

そして、その始まりはあの時の友人のアドバイスであったという事を、混乱し手放した事で知る事となりました。
友人には、心からの感謝しかありません。身につけている物を手放す事は勇気が入りますが、混乱した事で大切な事を学びました。今の環境は当たり前ではなく、私が1番感謝しなければいけません。

このチラシにも書かれているオープンからのコンセプト「癒し・香り・高い技術力」。そして、リクルートコンセプトである「自分らしく、長く安心して美容師を働き続けられる美容室」。

このコンセプトを今後も誠実に、ずっと守っていきたいと思っております。

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