COCO hair & life style

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本当の姿が出る時

8月に入り、連日の暑さと湿気がもの凄いですね。

私がいつもお世話になっている近所の方が、静岡県の1973年7月の最高気温を調べてみると、31.7℃だったと話してくれました。

先月の静岡県の最高気温は36.9℃。50年経過し、最高気温が5.2℃上昇しているという事実に驚いてしまいました。

これからの未来を考えると、改めて温暖化問題は見過ごせないと強く感じたきっかけとなりました。

皆様、体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。

お店は生き物

COCOは、先月の14日で有難い事に11周年を迎える事が出来ました。これもひとえに、お客様とスタッフの皆さんのおかげであります。
心から感謝し、お礼の言葉とさせて頂きます。本当にありがとうございます。

僅か11年ではありますが、その間に学んだ事は数多くあります。中でも、お店というものは生き物であるという感覚です。
同じように見えて毎日違っていて、曲線のように波打って変化しています。
天候や季節などの自然にも影響を受けますし、そこに集まる人の気で上下する事もあります。さらには、時代の流れにも大きく影響を受けます。

常に動いているものに対して、その流れに乗って勢いで進む時もあれば、重たい亀のようにじっくり腰を据えて止まる事もあります。

不思議なものでプラスとマイナスはいつもセットになっていて、良い時がずっと続く事は難しいと感じます。
お店というのは人間そのものであると捉えています。

調子の悪い時の行動

そのような環境の中でCOCOを進めていく時に、1番のポイントの時期というのが、調子の悪い時だと思っています。
調子の悪い時に本当の姿が現れ、さらにはお店の代表者の本性が現れると思っています。

私は、これまでの経験を通して学んだ事から、調子の悪い時には次のような3つの行動をとるようにしております。

①代表者の私が、COCOのコンセプトに立ち戻る 

成果が出ない時やトラブルが起こった場合、何の為にこのお店はあるのか?何を目指しているお店なのか?という原点に帰るようにしております。

COCOは、お客様には「癒し」「香り」「高い技術力」のご提供。
働くスタッフの皆さんには、「自分らしく、長く安心して美容師を働き続けられる環境」を提供する。

このコンセプトに戻る事で、目の前で起こっている事に対して正しい判断をする事が出来ます。
大切なのは、1番先にこのコンセプトに戻り実践するのは、代表者である私です。そして、その後にスタッフの皆さんにコンセプトを改めて伝え、確認してもらいます。
小さなお店である程、代表者の価値観がダイレクトに反映される為、リーダーは状況を把握し、学び続ける必要があると感じます。

②清潔感を見直す

お店は生き物であるという事から、調子の悪い時ほど清掃を行なうようにしています。
先ずは、お店の裏側であるバックルームは、調子の悪い時ほど清潔にする事が大切だと感じます。
表よりも裏に真実の姿が現れると考えます。
その後にフロアーを清掃します。オープン時の店内写真を自分のスマホに入れておき、必要であればリフォームを行ない、オープン時の雰囲気に劣らない環境をつくるようにしています。
髪と同じで、綺麗にする事で気運が上がり、良い流れに向かう1番のきっかけとなると考えています。

③個人と組織のバランスを確認する

COCOは、関係のバランスを個人7、組織3の割合で考えております。
美容師さんは職人であり、スタイリストであれば個人で完結する仕事内容となります。

結果が出るにつれて、自信やプライド、こだわりが出てくるのは素晴らしい事だと思います。
ですので、COCOのコンセプトに沿った中で、安心して長く働ける環境づくりを意識しております。

・マンツーマン対応
・1日3〜4人の入客数
・ミーティング、飲み会、社員旅行なし
・完全週休2日の連休
・店長、役職なし。無駄な上下関係の廃止

といったルールを設けているのは、個人の働きやすさを最大限に重視したいと考えているからです。

ただ、調子の悪い時には個の力だけでは限界があると感じています。
そんな時の為に、普段から組織としての3割の部分を大切にしています。

・自分の担当ではないお客様にも挨拶をする。
・営業時間内に実施する美容の勉強会、ヘアスタイルの撮影会を全員で行なう。
・コンセプトを基に、最小限にしたルールを共有し守る。

調子の悪い時ほど、共通意識を持つ事で雰囲気が和らぎ、まとまりを感じる空間になると思っています。

私は美容室という組織は、個でありながらも集団であると思っています。プロサッカーチームと同じように、個々の能力も必要であり、ベクトルを合わせる事も必要だと感じます。

そのベクトルを繋いでいるのは、

「美容師になりたいと志し、沢山の努力を重ね、好きな仕事を続けているからこそ、気持ち良く働きたい。」

という共通点だと感じます。

この共通点を大切にする事で、仕事とプライベートをきっちりと分け、個人7:組織3のバランスを上手に保つことが可能になると思っております。

困難な時の自信

私は、困難な時に思い出す出来事があります。
それは、自分が苦しい時に心に響いた情景です。

アシスタント時代、先輩の厳しさから逃げだそうとした時に、駅の改札口で友人が大声でエールを送ってくれた姿。

高校時代、私の担任の先生に会い、目の前にある机に頭を擦り付けて、美容学校の推薦枠を私に与えて欲しいと頼み込んでくれた恩師の姿。

美容師を諦めたいと電話で両親に伝え、地元の駅に半べそで着いた時に、何も言わずに優しい笑顔で迎えてくれた母親の姿。

私はこの出来事を思い出す度に、

「どんなに苦しい事があっても、自分を信じて守ってくれる人がいる。」

という安心を感じる事で、自信を持つ事ができます。

自信というのは自分を信じる力であり、自分で掴むものだと思っていました。
その自信も必要だと思うのですが、困難な時に自分を支える自信というのは、周りから自分を信じてもらった力の総量であり、相手の思いやりから頂くものだと思います。

自信の出発点は、身近にいる大切な人から与えてもらうものなのかもしれません。

調子が悪い時ほど、私がスタッフの皆さんやお客様に対して思いやりの気持ちを大切にする。それが相手の自信へと繋がり、良い流れに向かっていくのだと思っています。

12年目も、駆け出しの頃の気持ちを忘れず、地道に1歩ずつ歩んでいきたいと思っております。

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