COCO hair & life style

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日々の思うこと

教科書

昨年末、私がいつもお世話になっている会社を経営されているお客様から、

「本と旅行にはお金を注ぎ込んでいる。」

というお話を聞かせて頂きました。

その話を聞いた2日後、友人との何気ない会話の中で、

「本と旅行に投資する事は、豊かな人生になる。」

と聞き、僅か2日間でシンクロした出来事が起こりました。

私は、これは何かのサインだなと感じ、その日を境に本を購入する事にしました。

20代に読んでいた本を再び買い集めた

私は、20代のある時期から、ひたすら本を読み漁りました。

30代はお店を開業した事で、本に没頭する時間は少なくなっていた為、先ずは過去に読んだもので心に残っている本から購入する事にしました。

20代に本を読むきっかけとなったのが、職場での人間関係の悩みからでした。

先ず、私の生い立ちに触れさせて頂くと、祖父、祖母、父、母、姉の6人家族の末っ子長男という環境で育ちました。

父は婿であり、母は姉妹であった為、私が誕生した時には山田家待望の男の子という事で、自分でも特別待遇と明らかに感じる程、周りから愛情をたっぷり注がれ、何事も甘やかされて育ちました。

このような環境で育った人間は自ずと、

・何事も自分の思い通りになる。
・困ったら誰かが助けてくれる。

という、自己中心的で他力本願の性格へと育っていきます。

そのような性格のまま、何も知らない私は、当時は職人気質で師弟関係が色濃い美容師の世界に飛び込む事となったのです。

自分中心が抜けない

ほとんどの駆け出しの美容師さんの仕事は、先輩である上司のアシスタントからスタートします。

仕事のサポートをしながら、技術やサービスを直に学んでいきます。

今だから言えるのですが、アシスタントとして必要な能力は?と問われたら、

「相手の分身となる事。」

と答えます。

この能力が身についた時に、上司の仕事のリズムと思考が手に取るように分かり、先回りしてアシストをする事が可能になります。

それが、お客様からの信頼を掴めるスタイリストへと繋がっていきます。

この能力を初めから持っている方も沢山います。ただ、先程も話した通り、元来自己中心的で、困った時には誰かが助けてくれると本気で思っている当時の私にとっては、真逆の能力が必要となります。

このブログを読んで下さっている方の中にも、後輩や部下への悩みの経験がある方はいらっしゃるのではないでしょうか?

特に昔の私のように、自己愛の強い人間に自分を捨てさせるという事は本人も勿論苦しいのですが、それ以上に教える上司のエネルギーは生半可なものではありません。

私は事あるごとに呼び出され、

「何故あの時にこうしなかったのか?」
「何故あの時に私の動きを確認していなかったのか?」

という仕事中の様々なシーンの問答を繰り返されました。

ただ相手の分身になる事は、思った以上に簡単ではありません。

最初はどうしたら評価をもらえるのか?を改善を重ねながら行動してみたものの、何度も何度も駄目出しをされる内に、私の心は、

「何でそんな事までしなければいけないのか?」

「自分はそれで良いと思ってやったのに何だよ。」

「自分の事が嫌いだから言ってるんだろ。」  

という、再び自己都合の目線へと戻っていきます。

論語との出会い

そうなってしまうと、上司との良好な人間関係が保てず、仕事のクオリティーも下がり、いずれ関係は悪化の一途を辿る事となります。

私はこのタイミングで、あるきっかけを友人からもらう事となります。

美容学校時代の友人から、一冊の本をプレゼントされました。

その友人は既にスタイリストデビューしており、一人前の美容師として活躍していました。

私は、暗闇から脱する事が出来ず、何度も彼に悩みや憤りを聞いてもらっていたのです。

そのもらった本というのが、渡邉美樹さん著「使う論語」です。

論語を読んだ事のある方はいらっしゃいますか?

今から約2500年前につくられた、孔子と弟子とのやりとりが書かれたものです。

一見、堅い本と見られがちなのですが、人間の本質が描かれており、これを読むと2500年経っても、人間というものは根本の部分では何ら変わっていないのだなと感じる事が出来ます。

そして、論語が成立してから2500年経つ今もなお、古さを感じさせず、むしろ新鮮さがそこにあります。

中心となるものが、人が生きる上で大切なもの。目指すべきもの。守るべきものが五徳として書かれています。

「仁」という思いやりの心
「義」という正義
「礼」を忘れない
「智」を備え物事を正しく判断する
「信」頼されるような誠実さ

中でも、特に重要なのが「仁」である。

私はこれを見た時に、心がスッとした気分になったのを覚えています。

その後暫く経ってから、自分の行動や考えが何一つ当てはまっていない事に気づかされました。

そこから私は少しずつではありますが意識の変化が起こり、相手になりきって考えられる視点を持てた事で成長していく事となります。

これも、私を最後まで見捨てずに正しいスタイリストへと導いてくれた上司のお陰です。大変な労力をかけて頂いた事に、本当に感謝しております。

そして、あのタイミングでこの本を差し伸べてくれた友人の思いやりとセンスには、改めて驚くばかりです。

因みに、彼の名前にはこの「仁」が入っており、COCOの名前の由来も「仁」からきております。

リーダーには、己を律する教科書が必要

あれから15年以上が経ち、私は小さな美容室ではありますが、お店の代表という立場で仕事をしています。

さらに、プライベートでは父親としての役割を担っています。

私はこの立場になって心底感じる事は、出会いや教育によってその人の人生が変わり、特に親や先生、上司、先輩という身近にいる先人の影響は、本人にとって計り知れない程大きいものであるという事です。

そして、リーダーによって組織全体はどうにでも変わるという事実です。

「水は方円の器にしたがう」という言葉がありますが、器(リーダー)が四角ければ水(組織)は四角く、円ければ円くなります。

COCOは、お客様には「癒し」「香り」「高い技術力」のご提供。

働いてくれるスタッフの皆さんには、「円滑な人間関係の中、身体を壊さず、長く安心して働き続けられる環境」をコンセプトとしています。

私は、そのコンセプトを誠実に守る上で、言葉や行動、判断や決断をする時の教科書となるような存在が必要となります。

それが2500年前に書かれた論語の中に、多くの教えやヒントが詰まっていると感じます。

今回、再び本を読むきっかけを頂き、自分の中に光を差し込んでくれた出来事に、心から感謝しております。

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